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「愛と哀しみの海 戦艦大和の悲劇」 [TV番組]

1990年8月 ・ TBS

"終戦記念日特別企画" としてTBSで放送されたドラマです。
戦艦大和建造に係わった工員とその家族をとおして、家族愛、当時の世相と、
大和の生涯を描いています。約3時間。
ビデオとかにはなっていないようです、多分。

あらためて観てみて、なんかいいドラマだな~と感心しました。
ストーリーが上手く考えられているな、と。無駄がなかった。
お話は、子供の事情や不景気などで職を求めていた鋲打ちの技術者(藤竜也さん)が、
ようやく呉海軍工廠におさまるところから始まります。
妻(倍賞千恵子さん)、3人の子、同僚であり隣人の一家、支那そば屋の中国人とのふれあいや、
大和建造の背景、その機密や漏えいから大和特攻、原爆など。

ストーリー上、やはり都合が良すぎる場面もあり気になりました(苦笑)。
長男が兵学校から航空隊へ行き、真珠湾攻撃参加、ラバウルで山本長官機護衛(片足損失)、
そして最後は特攻出撃の大和上空を旋回してそのまま自分も特攻へ、と、
歴史的場面にばかり係わっています(^^;)。
次男(徴兵)と隣家の幼馴染の兄(学徒出陣)も、やはり大和乗り組みになりました。
でも、ドラマとしては上記は全部見せ場ですからね。やはり係わってもらわないと困ります。

この主役の夫婦が、またいい味出しているのです。
口下手でカッとなると手がでる夫と、おおらかで頼りがいがあり気が利く妻。
でも妻はちゃんと夫をたてて・・・。
この俳優さん達、昭和の夫婦をすごく上手く演じていたと思います。
2番目の子(次男)だけ母親が違うのだけど、もちろんこの母は分け隔てなく可愛がりました。
次男が出撃前に立ち寄った時に、母は家族全員の写真を渡すのですが実母の写真も混ぜ・・。
でも次男は「知らない人の写真は要らない。母は一人しかいない。」と置いていきます。
ベタかもしれないけど泣きました・・・。
長女も広島の原爆で亡くなり、最後は夫婦だけ残ります。
夫は、大切な子供と大和を失い塞ぎこんでいるのだけど、
妻は頑張るしかないと張り切ってて、女は強し!を表現しています。
そこへ、次男の子を出産していた隣家の幼馴染の妹が現われて・・・。

大和の場面は、さすがに建造中とか進水の全体像はありません。鉄の壁だけ。
設計図の機密漏えい(←理不尽)とか、当時の苦労もうかがわれます。
市民は皆知ってるのに、係わっている人だけ大和を必死に隠している、とか。
でも、大和の建造から最後の沈没まであり、本当に大和の生涯だなーと
思いました。
大和の爆発場面は ”小さいモノを火薬で爆発させたな? ”とうかがえるような
弾け加減でした(^^;)。しょうがない、しょうがない。

あと、戦闘場面に別の映画とかから借りていると思われる映像が
時々出てくるので、その度に映像の質が変わり、違和感を覚えました。
これも”ドラマ”じゃしょうがないかな。

このドラマでは、戦闘場面は最重要ではないのか、上層部で名前があったのは
山本長官と伊藤長官、有賀艦長くらいかな?
参謀がたくさん張り切っていたけど実在の人物なのだろうか・・。
米内大臣らしき人も出ていたけど名前は出なかったです。

そしてどの映画やドラマでも私的に納得いかないところ。
海軍士官が熱すぎる!本当にそうだったのかもしれないけど、もう少しやんわり演じた方が、
よりリアル感が出るのではと思うのだけどなー。
伊藤長官の最後の艦長室入室の場面も、もうちょっと普通のスピードで入った方が
より人間っぽいと思う。あくまで「私的に」ですけどね。

このドラマが放送された当時は、何日か前後してフジテレビでも「戦艦大和」というドラマが
放送されました。今、こういうのはムリなんだろうな。最近は「反戦・平和」が強いものでないと
映像化されない感じがしますが、ただ ”こんなことがあったんだよ” というお話だけでも
いいんじゃないかと思うのですが・・。

ですがこのビデオが古すぎて劣化していて、画面の上下の揺れがかなりありました。
酔いそうだった・・・。あと何回見られるだろうか。
多分見直したのって2,3回くらいしかないと思うけど、
もう見られなくなると思うと、惜しいドラマだとなぁ思います。

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シリーズ激動の昭和「あの戦争は何だったのか」 [TV番組]

2008年 12月 ・ TBS

昭和16年12月8日の開戦に至るまでの政府・軍部の対立や葛藤をドキュメンタリーと
ドラマを交えて描いた番組。

久々にいい番組だったな~と思うものを見ました。
何気なく番組冒頭を見たら、もう目が離せなくなり・・(^^;)。

“あぁ~なるほどなぁ~”と何度も思いました。
ビートたけしさん演じる、作中に描かれている東条首相が忠実に描かれているのかは
もちろん分からないのだけど、もしこのドラマに近い人物であったのなら、
私がイメージしていた人物とは違っていて、気の毒な人だったなと・・。
そっか、そういう解釈もアリなんだな~と、とても興味深かったです。
(当たり前のことだろうけど)陸軍側にも戦争回避に奔走した人々がいたのだな、
と、あらためて陸海軍の不仲も残念に思いました。
でも一致団結していても、こういう場合は危険なのかな・・・。
統帥権っていうのも恐いものですね(当時)。

ドキュメンタリー部分も良かった。山本五十六とか真珠湾攻撃時に撃墜された
パイロットのこととか、やはり私には海軍系が印象強いのですが、
日本の暗号を解読した人(開戦前から筒抜け・・)が真珠湾攻撃の後、
「知っていたのに・・・」と一言つぶやいたという場面も印象強い・・。

でも再現ドラマやドキュメンタリーって、やはり偏った作りになってしまうだろうから、
これを見てどれが正しい・どっちが悪い、とか自分は語りたくないなーと思うし、
そういう気持ちで見ました。
取り上げている内容は昔からよくみるものだけど、なんだか新鮮だなぁという
気持ちが強く残る番組でした。
作中に出てきた、戦後に開戦前を振り返っている時のセリフで「参考になったか」と
いうのがありましたが、そこで大いに頷きました。良かったです。


しかし、この内容を世の中がクリスマスイブで騒いでいる日に放送したのは、
何か意図でもあるのでしょうか。なんとなくTBSさんやるな~と・・。
そしてCM時に他チャンネルに変えたりしてたのですが、バラエティ番組を目にして
「戦争回避に奮闘している人がいるのにみんな何をのんきな・・」とか思ったり(笑)。
でも放送時間、長かった~・・。
4時間半、テレビの前に拘束されるのはとても辛かった・・(^^;)。
(でも要らない場面とかはなかったと思うし、しょうがないのかな。)


  ~~ 余談 ~~
私は”零戦在りき”で海軍が好きなのであって、その時代の歴史的背景は、
苦手なのではないけど正直勉強不足です。
零戦も形の綺麗さに惹かれているのであって、兵器とは見ていない・・・。



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「戦艦大和」 [TV番組]

1990年 ・ フジテレビ

終戦45年ドラマスペシャルとして、フジテレビで放送されたTVドラマです。約2時間30分。
中井貴一さん演じる吉岡予備少尉を通して、大和出撃前日からの様子が描かれています。
場面は終始、大和艦内でした。
(余談ですがこのドラマ、昔、レンタル店で見た気がするのでビデオ化されていると思います。 古いレンタル店ならあるかも。CSでも1~2年前に放送していたように思います。)

出撃に際して婚約解消をした予備少尉(仲村トオルさん)、親兄弟をアメリカに残している元?日系人の予備少尉(近藤真彦さん)、身重の妻がいる電探員(所ジョージさん)、まだあどけない年少兵や、あと、伊藤長官、軍医さんなどの身の上話etc.。
学徒出陣の予備少尉が主人公のせいか、兵学校出の若手士官がなんだかワルイ人達です(笑)
(やっぱり最後は和解しますけど)。そして前夜の酒宴での若手士官の論争へ‥。
大和特攻といえば出てくるあの言葉「敗れて目覚める」のセリフもちゃんとありました。
その言葉を言ったとされる臼淵大尉(ドラマ内ではウツミ?イワオ大尉)を演じていたのは川野太郎さんで、熱くて爽やかでこの言葉に合っていたように思います。
私が一番グッときた場面は、戦闘配置につくために仲間達が順次部屋を出て行くのを「もう会えないかもしれないな」と言ったり思ったりしている場面でした。戦う前から辛いです。そういえば「勝利の基礎」の一番最後の場面を見た時もそう思ったなぁ。これでこの同期達は全員揃うことはないんだな‥と。
ちょっと残念だったのが、戦闘場面の最後があっけなく終わったというか‥。
大和沈むのか?!というところで、場面が数年後に切り替わりました(^^;)。う~ん‥(笑)。
当時は感動して見ていた気がするけど、今見ると、いろいろ物足りなかったかな~。
海軍は”〇〇殿”とは言っていなかったと聞きますが、ドラマ内では「少尉殿!」と呼ぶので、
私的には違和感がつきまといましたし(笑)。(こういうお話を作る方々なら、お一人くらいマニアなスタッフさんがいて指摘されててもいいような気がしますがどうなんでしょうね。それともこれはたいした問題じゃないのかな~。)
でも、テレビドラマだとこんなもんかな、とも思います。映画「男たちの大和」と比較してみるとまず視点が違います。こちらは予備少尉視点、映画は下士官視点です。そして映画の方ですごいな~と思ったのが戦闘場面と爆発場面(迫力あって感心した)だったので、これは技術の進歩と予算で差が出るのはしょうがないかな。
「大和」っていろんな年代で作品が作られているから興味深いですね。
5年おきくらいに見てみたいかも。

ビデオテープは、劣化のためピーッと音がしていたり横線が入ったりしていましたが、18年前にしては思ったよりは良い状態でした(合間のCMが懐かしかった)。このテープの続きに、同年同時期にTBSの方で放送された「愛と哀しみの海 戦艦大和の悲劇」が録画されていました(笑)。
大和上層部の配役がまた変わるので、気持ちを切り替えないとすぐには見れません(^^;)。
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「奇跡体験!アンビリバボー」 [TV番組]

先週、フジテレビの「奇跡体験!アンビリバボー」を見ました。
第二次大戦中(何年の出来事かは聞き逃した‥)、艦を沈められ漂流していたイギリス兵士400名あまりを、日本の駆逐艦「雷(イカズチ)」が近海の危険を顧みず一人残らず救助したというお話。そのイギリス兵は皆捕虜になったのですが、そのお一人が先日海上自衛隊を尋ねられて、その事実が60数年を得て発覚したとのことでした。あのような悲惨な歴史にこのような話は心が救われますね。「雷」艦長(お名前失念)の決断・態度は尊敬です。武士道と海軍精神が入り混じったすばらしい方かと。その艦長は戦争を生き抜かれましたが、戦後もこの話はすることはなかったそうです。

ただ、あの再現VTRには脱力 (>_<)。漂流中の兵士の目に飛び込んできた艦は‥、日本のイージス艦(護衛艦?私にはよくわからず‥)だった!!番組としては初の海自協力のもと撮影とおっしゃっておりましたが、もう、申し訳ないですがガクーッとしました(笑)。だめですよぉ大戦中にあんな形した艦が現われちゃ~。あれじゃ~「ジパング」ですよぉ(笑) (←実写になるとこんな感じかぁと想像はできましたが~‥) 。テレビ番組の再現VTRでは駆逐艦の映像は難しいのかな?でもあれは似ても似つかなさ過ぎです~。せめて艦首だけをアップで映すにとどめるとかさぁ。で、その次に「雷」の写真でも挿入して‥、そっちの方が絶対リアル感があったと思いますよ?(余計なお世話)

ただ、本当に「雷」には感動したので、家にある本(艦系は乏しい‥)でちょっと調べてみましたが、目立った記載はありませんでした。この話、この元イギリス兵が尋ねて来られるまで本当に知られてなかったんでしょうかネ?そして本を見てて今更ながら気付いたこと。艦に書かれている識別番号(っていうんですか?)、今も昔も書体が変わっていない気がする。数字に影があるところも一緒なんですね。それともこれって世界共通なのですか?

 でもやっぱり昔の軍艦の方が力強い感や味があって、形は好みだなー。


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「紫電改 最後の戦闘機」 [TV番組]

1979年 ・ NHK

 紫電改関係の書籍を読んでいて、これ見てみたいな~と思っていた昭和54年のNHK特集
「紫電改 最後の戦闘機」を見ることができました(昨年夏に日本映画専門チャンネルにて放映)。

 まず、28年前の番組なので、そのアナログ感満載の構成に、懐かしさと親しみを感じました。
それと、髪が黒々とした50代くらいのおじ様方が空戦の模様を語っているのがとても不思議
でしたね。当時戦後まだ34年。そりゃそうか‥。よく本でお見かけするお名前の方の姿を拝見
できたのも貴重でした。途中、ご遺族のお母様が「今は戦争が30年間ないからいいけど昔は
10年ごとに‥」と語っておられ、あらためて自分達は平和な時代に生まれたと実感しました。
たった30年でそう思えた時代があるのだなぁ、と‥。

 さて内容は、前半が紫電改の生い立ちや性能、戦闘記録など。343航空隊のことが主です。
後半は、昭和20年7月24日に未帰還となった6機のうちの1機ではないかと思われる紫電改の
引き上げや、その6人の搭乗員のご家族のインタビュー。まさに書籍「紫電改の六機」の実写版
でした。あの紫電改引き上げを映像で見てみると、かなり切ないです。海面に紫電改の形が
ぼやーっと浮かび上がり、やがてゆっくりとその姿が空気に触れる‥。まだ海中にある時から
コックピットに花が供えられており「墓標」といった感じでした。当時の飛行長さんがその機を見て
「撫でてやりたい。6人の一人一人が近くに寄ってきた感じ‥」と言っておられたのが、ほんとに
彼等と過ごした者の言葉だな、と強く印象に残りました。そうやって見ると、貝殻だらけの紫電改もかつての仲間に見守られて喜んでいるように見えました。「おかえり」「ただいま」という言葉が
聞こえてきそうです。

 終戦直後に米軍に焼却される紫電改の映像もありましたが、紫電改って他に映像は残っていないのでしょうか?本当に「最後の(余裕のなくなった時期の)戦闘機」なのですね‥。あと、今更ですがフッと疑問に思ったのが、今でもTVでよく使われている「米軍機が日本機を後方から狙いうちしたところを操縦席から撮影している」映像の音声です。あの爆発音とかは実際の音なのでしょうかねぇ?


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